昔ながらの工芸に現代の空気を吹き込むべく、伝統の良さはそのままに、デザインの要素を加えたモダンな『樺細工』を生み出している「冨岡商店」の“総皮づくり”の茶筒と茶箕のセットです。
筒の表面と内側、蓋と、すべてに桜皮(山桜の樹皮)を使用。
茶筒表面の桜皮は長期間乾燥させたうえ、薄くなるまで削ってから磨いて艶を出します。
そのため天然の幹の模様がそのまま表面に表れ、一つひとつが違った表情を見せてくれます。
職人の丁寧な手仕事によって密閉性も高く、デリケートな茶葉の保管に最適。
桜皮のアメ色は使い込むほどに深みを増し、美しい光沢を生み出します。
【樺細工】
歴史ある武家屋敷と桜並木が美しい秋田県仙北市角館。
ここに江戸時代から伝わる伝統工芸が、『樺細工』です。
桜の皮を使ったもので、樺とは野生の山桜の樹皮のこと。
18世紀末に佐竹北家の城主の庇護を受けながら、武士の手内職として広まりました。
樹皮を薄く削りコテで木地に張りつけて作られる『樺細工』は、世界でも類を見ない樹皮工芸といわれ、全国でも角館だけにその技術が引き継がれています。
樹皮にはあめ皮、ちらし皮、ひび皮など12種類ほどあり、滑らかで強靱、しかも湿気を避け乾燥を防ぐという特質から、古くは薬籠や煙草入れ、現在では茶筒や盆などの生活用品に多く使われています。